海外で前立腺肥大症の治療に用いられているED治療薬

前立腺は男性の膀胱の下部に存在する小さな臓器で、精液の一部を分泌しています。この前立腺が何らかの原因で肥大してしまうのが前立腺肥大症です。この臓器は尿道を包み込むような位置にありますので、肥大が著しくなると尿道が圧迫され、尿が出にくくなったり、残尿感がひどくなったりします。このような状況は排尿障害と呼ばれ、薬物療法や外科的な治療が必要になることもあります。
この前立腺障害が引き起こす排尿障害に有効な薬として、最近注目されているのがED治療薬です。勃起障害に使用されているED治療薬は、血管の拡張に必要不可欠な物質を分解する酵素の働きを阻害し、海綿体に流れる血流を改善することでEDを克服するとされています。この効果は尿道や前立腺の筋細胞にも及ぶことが判明しており、ED治療薬を服用して尿道の筋肉がゆるむ状態を作ることができれば、排尿障害を改善できることがわかってきたのです。
すでに海外では、ED治療薬として利用されている薬が排尿障害の治療に用いられています。海外に比べて遅れていた日本でも、最近になってやっとこの薬に健康保険が適用されるようになりました。ただ健康保険が適用されるのはあくまでも前立腺肥大症の薬として処方される場合のみです。同じ成分を含む薬なのにED治療薬として用いる場合は自費診療となり、前立腺肥大の薬として用いられる場合は健康保険が適用されるというのも不思議な話ですが、EDは病気とみなされているわけではありませんので、このあたりは仕方のないところです。
なお日本に限らず海外においてもED治療薬が有効とされているのは排尿障害に関する部分のみです。前立腺肥大そのものに効果があるわけではありませんので、その点には注意が必要です。